多次元フーリエ変換から逆格子ベクトルの存在を導く
固体物性の分野を学ぶと、結晶構造の議論においてどうしても避けられないのが逆格子ベクトルの話題だ。筆者は化学専攻ではないが、電気電子専攻として半導体物性を勉強しており、最初に当たった壁がこれだった。
学部生は初回の授業で1次元での話を出され「ああ周期性あるからフーリエ変換するんでしょ、分かる分かる」と言っていると、多次元化したとたんに『ブラべ格子』『基本並進ベクトル』『逆格子ベクトル』『ブリルアンゾーン』などと矢継ぎ早に分かったような分からないような単語を繰り出されて身悶えすることになる。
この記事では、多次元空間上の周期性のある関数を多次元フーリエ変換すると自然に逆格子ベクトルが発生することを確認したいと思う。