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Tech Notes

n個の未知数とn-1個の一次式が与えられた時に比率を計算する

例えば

ax+by+cz=0

dx+ey+fz=0

とか与えられた時に\frac{x}{y}とか\frac{z}{x}とかを求める、という話。

アンプ回路の増幅率を小信号解析で求める上で気になったので調べてみた。

まず式をまとめておく。n個の未知数をx_1, x_2, ... x_nとし、n-1個の一次式をn-1×n行列を用いて表す。

(a11a12a1na21a22a2na(n1)1a(n1)2a(n1)n)(x1x2xn)=0

切片があると比率は一定に定まらない。ので右辺は0でなければならない。

\frac{x_2}{x_1}を求める場合、両辺をx_1で割る。

(a11a12a1na21a22a2na(n1)1a(n1)2a(n1)n)(1x2x1xnx1)=0

左辺のn-1×n行列をn-1×1行列\boldsymbol{b}とn-1×n-1行列Aに分割し、n次元ベクトルを一番上の1とその下のn-1個の比率を表すベクトル\boldsymbol{r}に分ける。

(\boldsymbolbA)(1\boldsymbolr)=0

\boldsymbolb=(a11a21a(n1)1)

A=(a12a1na22a2na(n1)2a(n1)n)

\boldsymbolr=(x2x1xnx1)

そうすると以下のように計算できる。

\boldsymbolb+A\boldsymbolr=0

A\boldsymbolr=\boldsymbolb

\boldsymbolr=A1\boldsymbolb

\det(A)=0でない限りこれで\frac{x_2}{x_1}, ... \frac{x_n}{x_1}が求まる。他の比率についても同様の手続きで求められる。